株式会社ネオキャリア
代表取締役&CEO 西澤亮一 氏
西澤社長の一言
「会社のために仕事をすることが100%自分のためになる。それがネオキャリアでなければならない」
「すべての物事において自己責任で決定する」
「経営者の器までしか、会社は大きくならない」
起業をしたきっかけ、また具体的に影響された出来事を教えてください。
今までの経験の中で起業に影響した環境は、父親が経営者であったこと、また、僕は中学卒業と同時に家を出て一人暮らしをしていましたので、そこでは全て自分で生計を立てなければなりませんでした。そのため、大学に入ってからは通常のアルバイトの他に貿易関係の仕事も経験しました。その仕事では営業を担当していまして、これが初めてのビジネスと言える経験でした。
具体的なきっかけは大学4年生の時なのですが、当初僕も他の学生と同様、普通の就職活動をしていました。ただ、様々な企業を見て回ったのですが、将来の自分が容易にイメージ出来てしまうことが多かったことを覚えています。いい意味で将来どうなっているかわからない、と期待を抱かせるような企業は本当に数少なかったです。
そういった経験から自分のやりたいこと、自分が本気になれる会社を自ら作ろうと思い、起業を目指し始めました。
様々なビジネスある中でなぜ人材会社を選んだのでしょうか?やはり人が好きだったのですか?
現在は社会的意義、社会に対する使命などいろいろ思っていますが、当初は「人が好き」であるという事よりも、事業をスタートさせるのに当たって顧客満足度が非常に低い市場でビジネスを展開しようと考えていました。どこの市場でも不動の1位がいる市場は基本的にユーザー寄りでないことが多く、そこで目をつけたのが人材ビジネスマーケットでした。
当時の新卒市場の状況は300万社ある企業のうち、新卒採用活動を行っている企業で学生の目に触れているのは約1万社(0.3%)だけであり、それらはやはり規模が大きくお金がある企業だけでした。ですから新卒採用支援のビジネスは潜在ニーズがまだまだあると考えていましたし、ここで勝負をしていけば勝ち続けていけると確信していました。
ただゼロから始めると「時間」という経営資源を垂れ流してしまうので、新卒で入社したベンチャーキャピタルと東証一部に上場している株式会社フルキャストに出資をしていただき事業を始めたのが2000年の11月でした。
借金4000万円を抱え、ネオキャリアを潰すか否かの最大の危機が訪れた時、当時のメンバーがもう一度西澤さんを社長にし、会社を立て直そうと話を持ちかけてくれたそうですが、そこまで信頼されていた要因はなんでしょうか?
単純に誰よりも数字・結果を出していた事がまず一つあると思いますが、僕は自分のためだけに仕事をする人間には魅力を感じません。僕は会社のために、仲間のために、お客様のために仕事をしています。それをメンバーが理解・評価してくれたのだと思います。
また全てのものごとにおいて自己責任で決定することを常に意識していました。例えば、遠距離恋愛の彼女に振られたとするじゃないですか?これを、「遠距離恋愛していたから仕方ないよ」では、やはり他己責任にすぎません。これは自分に魅力が無かったと認識できなければならないし、当然後者の方が魅力的です。このようなことは、やはり仕事の面においても他人のせいにする環境はいくらでもあります。それを僕は自己責任で徹底していましたのでそこを評価してもらえたのだと思います。
今までで最大の壁は?
4000万円の借金を抱えた時です。大阪支社の撤退と半年間給与をストップすることを決定したのですが、とにかくお金もなく、ご飯も食べられなかったことが何度もありました。ただ、この深い谷底の深さを知っているからこそ、今のネオキャリアの飛躍に繋がっていると思っています。今振り返って見ると、失ったもの以上に、得たものが大きい期間だったと思っています。
そんな中、先が開けた瞬間はどういった出来事でしょうか?
僕が社長に就任するまでの2月、3月は、毎月約数百万円ずつ赤字の状況でした。しかし僕が代表に就任した4月に一挙に事業のリストラクチャリングを推進させ、営業手法を改善させ労働生産性を高めるとともに、販売管理費を大幅に圧縮しました。その結果、初月でプラス6万円といった結果を残し、1ヶ月で黒字転換をはかりました。
また、この時期に社員旅行を実施して、真っ暗闇の中でも方向性を定めるために「理念」と「ビジョン」を決めました。それまでは、会社を存続させるため、また日々の生活のために仕事をしていたものが、これをきっかけに未来を見据えるために仕事をするようになりました。人間もそうですが、「目標なくして努力する事はありえません」。現在のネオキャリアの強みにも繋がっていますが、全員が方向性を同じくして、そこに注力していく事により、計り知れない「力」が生み出されます。
社長って社内ではどんな立場であって、どういった役割があると思っていますか?
経営者の器分しか会社は大きくならない、ということは断言できると思います。だから僕がどれだけ上を見ているか、どれだけ高いビジョンを描いているか。そしてそれを絶対にやってみせる意志があるかどうかが非常に重要なポイントであると考えています。
経営者は社員のお手本というか、イチ ビジネスマンとして親鳥みたいなものだと考えていまして、僕が楽しそうに、笑顔で仕事に取り組んでいれば、彼らも楽しく仕事が出来ると思っています。
壮大なヴィジョンが不安に感じることは無いのか?
当然、不安は常に持っています。でも、不安は人間が成長するために必要な要素であると僕は考えています。人間安心してしまえば成長が止まってしまうものです。
それは自分を信じるって事になるんですか?
そうですね。自分というよりも、自分を信じ助けてくれている仲間を信じる気持ちです。僕一人で仕事をしているわけではないので、やはり一緒にいる仲間を信じることが大切だと思います。ただ、そういった中でも繰り返しなりますが「自己責任」が非常に重要になってくると考えています。
こういった思いは業務の経験から学んだことなんでしょうか?それとも他社の社長との交流で学んできたものですか?
そうですね、当然外部の方とコミュニケーションを取ることによって成長する面もあると思います。でも僕は自分のスタンスがやはり重要だと思っていて、僕自身で言えば各メンバーに仕事は任せるけれど、判断するのは結果だけというスタンスを貫いています。
つまり客観的な視点を持って判断しているということですね?
そうです。それが一番、生き生きと働ける環境を作っていると思います。
成功の秘訣ってあるんですか?
まだ成功してないです(笑)まだまだ、ただのベンチャー企業です。どこを成功と呼ぶかという問題だとは思いますが、僕は「成功した」、といった事には興味はありません。成功したと思ってしまったら、さっきの話にもあるように、それ以降、発展すること無く終わってしまうのではないかと思うからです。ですから、一生成功したとは思わないと思います。
自分と一般のサラリーマンとの違いってなんだと思いますか?
そうですね、全く違うと思います。それは能力だったり、社長と従業員、といった違いではなく、環境に左右されるのではなく、いかに自己責任で主体的に行動できているかという点においてです。ネオキャリアではよく、「うちの会社にはサラリーマンは一人もいない」と言っていますが、これは、そういった意味合いが含まれているからです。ネオキャリアの文化の一つとして「環境は会社から与えられるものではなく、環境は自分たちで創る」というものがあり、このスタンスをよく現していると思います。
あなたは突然、100万円を残し、地位、名誉、人脈も失ってしまいました。 残っているのは今までの培った知恵だけです。 この知恵を使い残った財産100万円で、3年以内に1億円以上の財産を築かなくてはなりません。あなたはこの3年間どうすごしますか?
まず営業活動して、人脈を作ります。そうすれば1億円以上なんて一年もかからないと思います。
ビジネスはどういった事を考えているんですか?
ビジネスはいくらでも持ってこれると思います。ビジネスモデルって言うのは手段であって、手段というのは無限にあります。例えば、コピー機の会社に行って「必ず100台売るので代理店にさせて下さい」でも、ビジネス成立です。結構簡単だと思います。逆に0円でも出来ると思います(笑)ビジネスの世界は非常に面白くて、イメージ出来れば必ず達成できると僕は考えています。だからこそ少しの可能性でも否定しないことが大切です。
最後に学生起業家にメッセージをお願いします。
まずやってみる。そして自分が信頼できる仲間を見つけることが大切です。一人で仕事は出来ません。あとは仲間をとことん信じ、やってみること。お金は想いが引っ張ってくるものなのでいくらでも出来ると思います。だから必要なものはやはり「想い」と「人」だと思います。あと、「ぶれない心」です。一度決めたことは、誰に何を言われようとも、知り合いの社長に絶対に成功しないといわれても、「絶対に成功します」という強い思いを持つことです。
リスクを恐れる人についてどう思いますか?
リスクを感じてしまった人は、起業をするべきではないと思います。私の考える一番のリスクは「チャレンジしない事」です。失敗しちゃったらどうしようとかそんな想いが1%でも出てきてしまったら、成功はしないと思います。やはり仕事を楽しむ気持ちであったり、『こうなったらすごいな』だったり、壁にぶつかった時も、『どうやって越えようか?』と思える事が非常に重要です。
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>株式会社ネオキャリア 代表取締役&CEO 西澤亮一 氏
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