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会社設立の手順を進めるためには

発起人を決定する
以前は7人以上必要だった発起人も現在では1人以上でよく、煩雑といわれる株式会社の設立手続きもラクにはなっている。発起人とは、会社設立の発案者および賛同者であり、登記完了までいっさいの手続きを進めていく人物のこと。

類似商号の有無をチェックする
次の「会社の基本事項を決定する」の中のひとつに商号(いわゆる社名)の決定があるが、同一市区町村内で同一の営業のためにすでに登記されている会社名と同じ、もしくはまぎらわしい名前を付けることは禁止されている。事前に本店予定地の法務局の登記所へ行き、類似商号の有無を調べておく。

会社の基 本事項を決定する
商号(社名)、目的(事業の内容)、本店所在地、資本金(出資額)などは株式会社、有限会社、合資会社などの区別にかかわらずこの時点で決めておく。そのほか会計年度は何月から何月までにするか、役員には誰が就任するのか、役員報酬(給料)はどうするか、設立費用は会社負担にするのか、また株式会社の場合、株式は何株発行するのかなども決めておく。

会社代表印などをつくる
商号が確定したら、会社代表者の印鑑を作成する。設立登記の際にこの代表者印の届出が必要になる。またその後の契約書作成時などでも代表者印は必要。この時合わせて銀行印、社名印、住所・電話・社名の入ったゴム印なども一緒につくっておくといい。印鑑作成代金は一式でおよそ4万〜10万円。注文から1週間後ができ上がりの目安。早めに注文しよう。

関係者個人の印鑑証明を取る
必要になる関係者や枚数、提出先などは株式会社と有限会社では異なる。なお有効な印鑑証明書は登記申請日から逆算して3カ月以内に発行されたものである。

定款を作成する
定款(ていかん)とは会社の基本事項を定めた、いわば憲法のようなもの。株式会社の場合は、商号、目的、本店所在地、会社が発行する株式の総数、会社の設立に際して発行する株式の総数、会社が公告をする方法、発起人の氏名と住所、これらが絶対に記載すべき事項。

公証人に定款の認証を受ける
公証役場へ行き、作成した定款を公証人に認証してもらう。この時、認証手数料5万円程度と、公証役場に保管する定款1部に4万円の収入印紙貼付が必要。

経済産業局で創業者であることの、確認手続きを行う
最低資本金規制特例は、経済産業大臣が「創業者」であることを確認した者が設立する株式会社と有限会社についてのみ認められる。「創業者」とは、事業を営んでいない個人であって、2カ月以内に新たに会社を設立し、その会社を通じて事業を開始する具体的な計画を有する者のこと。確認の申請にあたっては、確認申請書に、公証人の認証を受けた定款の写し、創業者であることの誓約書、事業を営んでいない個人であることを証明する書類を添付して、会社の本店所在地を管轄する経済産業局に提出することになる。経済産業局で、確認申請者が創業者であることを確認した場合、確認書が交付される。

取締役会を開催する
選出された取締役によって取締役会を開催する。ここではまず代表取締役の選出を行い、次に本店の正確な所在地(定款では行政区域だけを記載)を決定。最後に総会で決まった取締役の報酬総額の範囲内で各取締役の報酬を決める。当然、議事録を作成する。

設立登記申請書を作成し、登記申請する
申請書の記入は特別難しいものではない。すでに定款に記載した事項や総会の決定事項を再度記入する程度。この申請書と合わせて交付された確認書や各種の必要書類を一緒に法務局の登記所に提出する。なお、登記申請は、経済産業省局にて確認を受けた日から2カ月以内に行う。まず申請書などに記載もれがないかどうかよく確認し、決められた順と指定されたとじ方で書類をまとめること。また目的(事業の内容)が抽象的すぎる場合などは補正が必要になり登記までの時間がかかるので、不安なときは事前に登記所へ相談しに行くとよい。

会社設立
補正(書類作成上または内容上の問題点を修正すること)の必要がなく、書類が登記所に受理されれば会社設立となる。その後、税務署や市区町村役場、労働基準監督署、社会保険事務所などの諸官庁への届出や銀行口座開設などに登記簿謄本や代表者印の印鑑証明書が必要になるので、それらを申請しておく。

会社設立の届出
特例措置を受けて設立した会社は、設立登記後ただちに経済産業局への届出が必要。なお商号や本店所在地などを記載した提出書類は、経済産業局において公衆縦覧(一般に広く公開すること)される。